エルサルバドルはビットコインを法定通貨として採用して以来、暗号資産の活用が進んでいます。
この流れを汲む形で、新たなプロジェクトが進行中です。
エルサルバドル国際空港近くに建設予定のハンプトン・バイ・ヒルトンホテルは、ビットコインのレイヤー2技術であるリキッドネットワークを用いたトークン化証券で部分的な所有が可能になる予定です。
暗号資産とエルサルバドルの関係
エルサルバドルは、2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した国です。
この革新的なステップは、国内外から注目を集め、その後の暗号資産に関するさまざまな取り組みへとつながっています。
ビットフィネックス証券がエルサルバドルで初めてライセンスを取得し登録されたデジタル資産プロバイダーとして、この新しいホテルプロジェクトのトークン化資産の募集を手掛けます。
インベルシオネス・ラグアルディアについて
このプロジェクトの発行元であるインベルシオネス・ラグアルディアは、エルサルバドルの投資会社で、主に不動産投資を行っています。
クラウドファンディングを通じて625万ドルを調達する計画であり、投資家には5年間で10%のクーポンを提供する予定です。
エルサルバドル国際空港
エルサルバドル国際空港は、国内で最も重要な空港の一つです。
規模としては日本の福岡国際空港に近く、その戦略的な位置はエルサルバドルの国際的な接続性を強化しています。
この新しいホテルの建設は、空港の利用者増加とともに、さらなる経済的な利益をもたらすことが期待されています。
このように、エルサルバドルは暗号資産を利用した革新的なプロジェクトで国際的な地位を築いていく様子を見せており、今後の動向が非常に注目されます。
福岡国際空港:福岡県に位置し、九州地方の主要な空港として機能しています。年間の乗降客数は約2400万人(2019年のデータ)で、エルサルバドル国際空港よりは大きいですが、規模としては比較的近いものがあります。
リキッドネットワーク(Liquid Network)とは
ビットコインのブロックチェーン技術に基づいたサイドチェーン(補助的なブロックチェーン)です。
このネットワークは、ビットコインのスケーラビリティとプライバシーを向上させることを目的としています。
主に取引所や金融機関が利用することを想定しており、特に資産の迅速な移動と機密性の高い取引を可能にすることに焦点を当てています。
主な特徴と機能
- コンフィデンシャルトランザクション: リキッドネットワークは、コンフィデンシャルトランザクション(Confidential Transactions)という技術を使用して、取引の金額を暗号化します。これにより、取引の詳細はネットワークの参加者間でのみ知られ、外部からは見えにくくなっています。
- 迅速な取引確定: リキッドネットワークでは、ビットコインのメインネットワークと比較して取引の確定速度が速くなっています。通常、ビットコインのトランザクションが確定するまでに10分かかるのに対し、リキッドネットワークでは1分程度で確定します。
- 資産の発行: ユーザーはリキッドネットワーク上で独自のデジタル資産を発行することができます。これにはトークン化されたフィアット通貨、株式、その他の金融商品が含まれます。これらの資産は、ビットコインと同じレベルのセキュリティとプライバシーを享受しながら、リキッドネットワーク上で自由に交換することが可能です。
利用シナリオ
リキッドネットワークは、特に金融機関や大規模な取引所にとって有益です。
これらの組織は、高速でプライベートな取引を行いたいと考えており、リキッドネットワークはそのニーズを満たすことができます。
また、トークン化された資産の発行と交換により、新しい形の資産クラスを作り出すことが可能です。
リキッドネットワークは、ビットコインの機能を拡張する形で、より多様な金融取引とプライバシー保護を提供することによって、デジタル資産の世界における新たな可能性を開いています。
ビットフィネックス証券によるホテル投資プロジェクト
ビットフィネックス証券は、エルサルバドルにおける新しいハンプトン・バイ・ヒルトンホテルプロジェクトを通じて、デジタル資産の新たな活用法を提案しています。
このプロジェクトは、トークン化された資産を使って、従来の資本市場ではアクセスしにくい投資機会を提供するものです。
ビットフィネックスの技術責任者、パオロ・アルドイーノ氏によると、この取り組みは「初期段階にある資本市場の発展にとって重要な一歩であり、新しい主要な資産クラスを市場に導入するもの」とされています。
プロジェクト
アルドイーノ氏の声明によれば、このホテル投資プロジェクトは特に、資本へのアクセスが限られている市場の発行体に新しい資金調達の手段を提供し、普段はこのような資産に投資できない投資家に初めての機会を提供します。
投資の詳細とリキッドネットワークの利用
投資家は最低1000ドルから投資を行い、「HILSV」というティッカーでリキッドネットワーク上にトークン化されたセキュリティを購入することが可能です。
リキッドネットワークはブロックストリームによって開発され、プライベートかつ迅速な取引を保証します。
ホテルの設備と提供される特典
計画されているホテルは、エルサルバドル国際空港の近くに位置し、80室の客室、商業スペース、プール、レストラン、ジム、庭園などが設けられます。
また、HILSVトークンの保有者には投資規模に応じて無料宿泊が提供されるなどの特典があります。
暗号資産の活用
このプロジェクトは、暗号資産とその技術がどのようにして伝統的な資本市場の枠を超えて活用され得るかの具体例を示しています。
トークン化による資金調達は、世界中の投資家にとって新たな投資の地平を開き、資産の流動性を高める一方で、プロジェクトの透明性とセキュリティを保持します。
このようにして、ビットフィネックス証券はデジタル資産の可能性を拡大し、新たな市場の創造を推進しています。
このホテルプロジェクトは、暗号資産の実用的な利用事例として、今後の資本市場において重要な役割を果たすことでしょう。
まとめ
今後エルサルバドルにおけるデジタル資産の利用はさらに拡大し、国内外の投資家からの関心が高まることが予想されます。
法定通貨としてビットコインを採用していることもあり、エルサルバドルは暗号資産を用いた経済発展の模範と見なされるようになるかもしれません。
また、このようなプロジェクトが成功を収めることで、他の国々も同様の取り組みを進める可能性があるため、エルサルバドルの取り組みが暗号資産と実物経済の結びつきを象徴する事例として、国際的な注目を集めることになるでしょう。
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