リップル、銀行やフィンテック企業向けにデジタル資産の保管サービスを提供開始

参照元:コインテレグラフジャパン

ブロックチェーン決済企業のリップルは、銀行やフィンテック企業を対象にしたデジタル資産の保管(カストディ)サービスを開始しました。

まず、「カストディ」という言葉について説明します。

これは、仮想通貨やデジタル資産(デジタル上で価値があるもの)を安全に管理し、保管するためのサービスです。

たとえば、お金を銀行に預けると銀行が安全に保管してくれるのと同じように、このサービスは仮想通貨を安全に守ってくれます。

「機関投資家」というのは、大きな額のお金を使って投資を行う企業や銀行のような専門的な組織を指します。

彼らは仮想通貨を大量に持っていることが多く、安全に保管するためにこのようなサービスを必要としています。

さらに、「リップル」についても説明します。

リップルは、ブロックチェーンという技術を使って素早くお金を送るためのシステムを提供している企業です。

ブロックチェーンは、取引の記録を多くのコンピューターで管理し、情報の改ざんを防ぐ仕組みです。

「フィンテック」は、「フィナンシャル(金融)」と「テクノロジー(技術)」を組み合わせた言葉です。

つまり、金融に関するサービスを最新の技術を使って提供する企業やサービスのことを指します。

銀行がアプリを使ってお金の管理をするようなものもフィンテックの一例です。

XRPレジャーとの統合

リップルの新しいサービスは、リップルが開発した「XRPレジャー」というブロックチェーンプラットフォームと統合されている点が特徴です。

「XRPレジャー」とは、リップルが提供するブロックチェーンネットワークで、仮想通貨の取引を迅速かつ効率的に行うための基盤となっています。

ブロックチェーン技術を利用することで、取引の安全性が高まり、デジタル資産の管理もより簡単になります。

この統合により、企業はデジタル資産の管理や取引をシームレス(途切れることなくスムーズに)に行うことができ、操作の利便性が向上します。

例えば、資産の送金や受け取りがこれまでよりも効率的に行え、企業の運用がさらに快適になることが期待されています。

セキュリティ強化と新しい機能

この新しいサービスには、あらかじめ設定された運用ルールやポリシー(方針)が含まれており、マネーロンダリング対策(AML)を行う機能も備えています。

マネーロンダリングとは、不正に得たお金を合法なお金に見せかけて隠す行為のことです。AMLは、そうした不正なお金の動きを防ぐための仕組みです。

また、このサービスでは、ユーザーが使いやすいように新しいインターフェース(画面や操作方法)が導入されており、管理や操作がさらに簡単になりました。

これにより、利用者はよりスムーズにデジタル資産を管理できるようになっています。機関投資家とカストディサービスの需要

仮想通貨市場が拡大する中、仮想通貨投資を検討する機関投資家が増えています。

こうした背景から、仮想通貨を安全に保管し、取引をサポートするカストディサービスの需要も高まっています。

カストディサービスプロバイダーは、投資家の仮想通貨を安全に保管し、法律を遵守することを保証しています。

リップルの事業成長

リップルのプロダクト部門の上級副社長、アーロン・スレットハウ氏は、フィンテック企業向けに提供する新しいデジタル資産の保管サービスがとても重要であることを強調しています。

リップルのカストディ(資産の安全な保管)事業は急速に成長しており、昨年と比べて250%も成長しました。

現在、リップルはこのサービスを7つの国で提供しており、これからさらに多くの企業がデジタル資産を扱うようになる可能性があります。

このリップルの取り組みは、仮想通貨市場で今後とても大きな影響を与えると期待されています。

デジタル資産の保管サービスが拡大中

最近、デジタル資産(仮想通貨など)の保管サービスを提供する企業が増えてきています。

カストディサービスとは、仮想通貨を安全に保管してくれるサービスのことです。

今までは仮想通貨を自分で管理する人が多かったですが、企業や銀行も仮想通貨を管理してくれるようになってきました。

スタンダードチャータード銀行の動き

9月10日、スタンダードチャータードという有名な銀行が、アラブ首長国連邦(UAE)でデジタル資産の保管サービスを始めました。

この銀行は、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)という有名な仮想通貨を保管するサービスを提供します。

また、サービスを提供するためにドバイの金融サービス当局から特別な許可(ライセンス)も取得しています。

スタンダードチャータード銀行

イギリスに本社がある大きな国際銀行です。

この銀行は、世界中のさまざまな国でお金を扱う仕事をしています。

特にアジアやアフリカなど、多くの国でサービスを提供していることで知られています。

スタンダードチャータード銀行は、普通の銀行と同じようにお金を預けたり、借りたりできるだけでなく、企業向けに投資や金融サービスを提供したりもしています。

最近では、仮想通貨のようなデジタル資産にも力を入れており、最新の技術を使って、もっと多くの人や企業がデジタルのお金を安全に使えるようにしています。

台湾の動向

一方、台湾でも仮想通貨の保管サービスに向けた準備が進んでいます。

台湾の「金融監督委員会」は、仮想通貨のカストディサービスをテストするための特別なプログラム(サンドボックス)を用意しています。

サンドボックスとは、新しい技術やサービスを試すために、規制を一時的に緩めるテストの場のことです。

台湾では2025年の第1四半期にこのプログラムに参加する申請を受け付ける予定で、すでに3つの銀行がこのサービスに興味を持っていると報告されています。

このように、世界中で仮想通貨を安全に保管するカストディサービスが拡大しており、今後も多くの銀行や企業が参入する可能性が高まっています。

暗号資産(仮想通貨)のカストディサービスが増えている理由は、仮想通貨を安全に保管することがますます重要になっているからです。いくつかの背景があります。

なぜカストディサービスが増えているのか?

この段落ではなぜ、仮想通貨のカストディサービスが近年増加しているのかの背景をいくつかのトピックに分けて解説していきます。

 仮想通貨の人気と普及

仮想通貨はビットコインやイーサリアムなど、一般の人々や企業の間で人気が高まっています。

多くの人が投資として仮想通貨を購入するようになり、企業や銀行も仮想通貨を扱い始めています。

これに伴い、仮想通貨を安全に保管するためのカストディサービスが必要になってきました。

こちらは、2021年と2023年の仮想通貨取引額を比較したデータです。

2021年には約14.5兆ドル、2023年には約20.2兆ドルという取引額があり、仮想通貨取引の規模が2年間で大きく増加していることがわかります。 ​

安全性の確保

仮想通貨はインターネット上で取引されるため、ハッキングや不正アクセスのリスクがあります。

仮想通貨を管理するには「秘密鍵」という情報が必要ですが、この秘密鍵が盗まれると資産も失われてしまう危険性があります。

そこで、銀行や専門の企業が仮想通貨を安全に保管し、リスクを減らすためにカストディサービスを提供するようになっています。

機関投資家の参入

最近では、銀行や大きな投資会社といった「機関投資家」も仮想通貨に投資をするようになっています。

彼らは大量の仮想通貨を持つため、それを安全に保管する必要があります。

カストディサービスは、こうした大きな企業や投資家に向けて提供されることが増えています。

機関投資家とは、個人ではなく、企業や組織として大量の資金を使って投資を行う大きな投資家のことを指します。

例えば、銀行、保険会社、年金基金、投資ファンドなどが機関投資家にあたります。

彼らは個人の投資家と違って、非常に大きな資金を運用しているため、取引の金額や影響が大きいのが特徴です。

機関投資家は、株式や債券、仮想通貨、不動産など、さまざまな資産に投資します。

彼らの動きは市場に大きな影響を与えることがあり、特に仮想通貨市場でも重要な役割を果たしています。

機関投資家が仮想通貨市場に参加することで、信頼性が高まり、仮想通貨の価格や流動性が安定することが期待されています。

規制の整備

多くの国で仮想通貨に関する法律や規制が整備され、仮想通貨の保管や取引がより安全に行われるようになりました。

これにより、銀行やフィンテック企業がカストディサービスを提供しやすくなり、サービスが広がっています。

このような理由から、仮想通貨を安全に保管するカストディサービスの需要が高まり、世界中で増えているのです。

今後のカストディサービス

カストディサービスの将来は、仮想通貨市場の成長とともに非常に明るいものとなるでしょう。

今後さらに多くの企業や機関投資家が仮想通貨を保有するようになれば、その安全な保管と管理を必要とするニーズも増加します。

特に、金融機関や大規模な投資ファンドが仮想通貨を運用する際、セキュリティや法規制を遵守するためにカストディサービスは欠かせない存在となるでしょう。

また、各国の規制が整備されるにつれて、カストディサービスが提供する機能も進化していくことが期待されます。

新しい技術の導入や、AIを活用したリスク管理の強化により、サービスの信頼性や効率がさらに向上するでしょう。

さらに、従来の資産管理とデジタル資産管理が統合されることで、投資家があらゆる資産を一元的に管理できるようになる可能性もあります。

こうした進展により、カストディサービスは仮想通貨市場における基盤的なインフラとして、ますます重要な役割を果たすでしょう。

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