2024年2月6日、デリバティブ取引所から約30万ETH(約8億1720万ドル相当)が引き出されました。
これは2023年8月以来の最高水準です。ETHが取引所から外部のウォレットへ移動することは、売り圧力が弱まるサインとされています。
クリプトクアント(暗号資産データ分析企業)のアナリスト、アムル・タハ氏は、「デリバティブ取引所からのETHの流出が増えると、売却可能な供給が減少し、価格が下がりにくくなる」と説明しています。
つまり、市場に出回るETHが減ることで、需要が安定または増加すれば、価格上昇につながる可能性があるのです。
デリバティブ取引所とは?
暗号資産のデリバティブ取引所は、資産そのものを売買するのではなく、将来の価格に基づいた契約を取引する場所です。
たとえば、「1か月後にイーサリアム(ETH)をこの価格で買う」といった契約を結ぶことができます。
このような取引は、価格変動を予測しながら利益を狙う投資家に利用されています。
暗号資産デリバティブ取引所には、Bybitなどがあります。
イーサリアムETFの可能性と価格への影響
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ETHの価格を押し上げるもう一つの要因として、イーサリアムのステーキング(預けて報酬を得る仕組み)を組み込んだ上場投資信託(ETF)の承認が期待されています。
イーサリアムの開発企業コンセンシスの創業者ジョー・ルービン氏は、コインテレグラフ(暗号資産関連のニュースを提供するメディア)とのインタビューで「ETFプロバイダーと話し合ってきたが、すでに本格的に準備を進めており、比較的早期に承認されると期待している」と述べています。
ETFが承認されると、機関投資家(大きな資金を持つ投資家)がETHに投資しやすくなり、価格の上昇につながる可能性が高まります。
ETFプロバイダー(ETF Provider)
ETF(上場投資信託)を設計・運用・販売する金融機関や資産運用会社のことを指します。
投資家がETFを購入しやすい環境を提供し、管理や流動性の確保を行う役割を担っています。
イーサリアムの開発企業コンセンシス
コンセンシス(ConsenSys)は、イーサリアムの発展を支える重要な企業であり、MetaMaskやInfuraなどのプロダクトを通じてWeb3の普及に貢献しています。
今後も、Web3技術の発展やイーサリアムエコシステムの拡張において中心的な役割を果たしていくでしょう。
カイル・ドープス氏の見解
暗号資産アナリストのカイル・ドープス氏も、デリバティブ取引所からのETHの大量流出について「売り圧力が低下し、主要ポジションが解消されることが多い。
これは通常、強気のシグナル(価格が上昇しやすい兆候)と見られる」とX(旧Twitter)で投稿しました。
エリック・トランプ氏の発言とETHの関係
ドナルド・トランプ元米国大統領の息子であるエリック・トランプ氏は最近、Xで「ETHを追加するには絶好のタイミングだ」と投稿しました。
この発言の直後にETHの取引所流出が増加しており、注目を集めています。
また、トランプ氏に関連する暗号資産プロジェクト「ワールド・リバティ・フィナンシャル」はETHの保有量を増やしているとも報じられており、これもETHの強気要因(価格上昇を後押しする材料)と考えられています。
ETHの価格に関する最近の動きを見ると、デリバティブ取引所からの大量流出、エリック・トランプ氏の発言、そしてイーサリアムETFの承認期待など、強気な要因が増えています。
今後の市場動向に注目が集まります。
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