2025年3月2日、アメリカのドナルド・トランプ元大統領が、「米国の戦略的な仮想通貨準備金を作る」と発表しました。
この準備金には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)だけでなく、XRPやソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)といったアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)も含まれると話しました。
この発表を受けて、仮想通貨の市場全体が大きく反応しました。ビットコインは**1日で7.7%も上がり、9万5000ドル(約1400万円)を突破しました。
そして、仮想通貨市場全体の時価総額も7%増えて3兆400億ドル(約450兆円)**になりました。
なぜこのように急に値上がりしたのでしょうか?
それは、多くの投資家が「アメリカ政府が仮想通貨を公式に準備金として持つなら、仮想通貨の価値がさらに上がるかもしれない」と考えたからです。
その期待から、多くの人が仮想通貨を買い始めたため、価格が上がったのです。
なぜ価格の上昇は続かなかったのか?詳しく解説
トランプ氏の発表を受けて、仮想通貨市場は一気に価格が上がりました。しかし、その上昇は長くは続きませんでした。なぜでしょうか?
その理由は、実際にアメリカ政府が仮想通貨を準備金として持つには、多くの手続きが必要で、すぐには実現しないからです。
政府が仮想通貨を買うには時間がかかる
アメリカのような大きな国が公式に仮想通貨を準備金として持つには、次のような複雑な手続きを経る必要があります。
- 議会(アメリカの国の会議)で承認を受ける必要がある
- アメリカ政府が仮想通貨を公式に準備金として持つには、国の予算を使って購入する必要があります。しかし、これは大統領の一存で決められるものではなく、議会での承認が必要になります。つまり、議会のメンバーが賛成しなければ実現しません。
- アメリカ政府が仮想通貨を公式に準備金として持つには、国の予算を使って購入する必要があります。しかし、これは大統領の一存で決められるものではなく、議会での承認が必要になります。つまり、議会のメンバーが賛成しなければ実現しません。
- どの仮想通貨をどれだけ買うのか決めるのに時間がかかる
- たとえば「ビットコインを〇〇億ドル分買おう」と決めるには、専門家による分析や政府機関の調査が必要です。さらに、その購入が市場にどのような影響を与えるのかを慎重に考えなければなりません。そのため、すぐに決まることはありません。
- たとえば「ビットコインを〇〇億ドル分買おう」と決めるには、専門家による分析や政府機関の調査が必要です。さらに、その購入が市場にどのような影響を与えるのかを慎重に考えなければなりません。そのため、すぐに決まることはありません。
- 政府が実際に仮想通貨を買うまでに時間がかかる
- 仮に議会で承認され、どの仮想通貨を買うか決まったとしても、政府が実際に市場で仮想通貨を購入するにはさらに時間がかかります。なぜなら、一度に大量の仮想通貨を買うと市場価格が大きく変動するため、慎重に取引しなければならないからです。
「今すぐ政府が仮想通貨を買うわけではない」と気づいた投資家たち
今回のトランプ氏の発表では、「政府が仮想通貨を準備金として持つ計画を進める」と言っただけで、実際にいつ買うのか、どれくらい買うのかは決まっていませんでした。
つまり、「政府が仮想通貨を買う」と決まったわけではなく、まだ話し合いの段階だったのです。
しかし、多くの投資家は最初にこのニュースを見て、
「政府が仮想通貨を買うかもしれない!価値が上がるはず!」と期待して、すぐに仮想通貨を買いました。
その結果、市場価格が急上昇しました。
ところが、時間が経つにつれて、
「政府が本当に買うかどうかはまだわからない」
「買うとしても、実際に買うまでには時間がかかる」と冷静に考える人が増えました。
すると、今度は「せっかく価格が上がったのだから、今のうちに売って利益を確定しよう」と考えた人が増えたのです。
このような流れで、多くの投資家が仮想通貨を売り始めたため、価格が下がってしまいました。
つまり、どういうこと?
- トランプ氏の発表を受け、「政府が仮想通貨を買うかもしれない」と期待した投資家が買い、価格が急上昇した
- しかし、実際には「政府がいつどの仮想通貨を買うかは未定」であり、実現には時間がかかると気づいた人が増えた
- 「せっかく価格が上がった今のうちに売っておこう」と考えた投資家が増えたため、価格が下がった
このように、価格が上がった直後に売られたため、一時的な上昇に終わってしまったのです。
これからどうなる?今後の注目ポイント
仮想通貨市場は、今後どのように動くのでしょうか?
まず、トランプ氏が3月7日に「ホワイトハウス・クリプト・サミット」というイベントを開く予定です。このイベントでは、仮想通貨に関する法律や、ステーブルコイン(法定通貨と同じ価値を持つ仮想通貨)について話し合われると予想されています。
また、政府の「仮想通貨準備金」が本当に実現するかどうかも、今後の市場に大きな影響を与えるでしょう。もし、アメリカ政府が正式に仮想通貨を準備金として持つことになれば、再び価格が上がるかもしれません。
まとめ
- アメリカ政府が仮想通貨を準備金として持つには、議会の承認や準備に時間がかかる
- トランプ氏の発表後、多くの人が「政府が仮想通貨を買うかも」と期待して仮想通貨を購入し、価格が急上昇した
- しかし、実際にはすぐに買われるわけではないと気づいた投資家が、「今のうちに売って利益を確定しよう」と考え、売却が進んで価格が下がった
- このように、ニュースによって短期間で価格が大きく動くことを「ボラティリティが高い」という
仮想通貨の価格は、期待による買いと、現実を見た売りによって大きく変動します。
そのため、「ニュースを見てすぐに飛びつく」のではなく、「本当にそのニュースが長期的に影響を与えるのか」を考えることが大切ですね。

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