ビットコインは本当に「リスクオン」資産?ブラックロック専門家の見解

参照元:コインテレグラフジャパン 

近年、ビットコインが「リスクオン」資産と誤解されるケースが増えています。

「リスクオン」とは、投資家がリスクを取りやすい状況で選ばれる資産のことを指し、一般的には株式や高リスクの投資商品が該当します。

しかし、ブラックロックのデジタル資産部門責任者であるロビー・ミッチニック氏は、9月24日のブルームバーグのインタビューで、ビットコインをこのように捉えるのは間違いだと指摘しました。

ミッチニック氏は、仮想通貨業界において「ビットコインはリスクの高い資産」とされることが多く、それが誤って株式のように「リスクオン資産」として扱われる風潮を生んでいると述べました。

ここでの「仮想通貨業界」とは、ビットコインをはじめとしたデジタル通貨に関わる市場や技術に焦点を当てた分野を指します。

また、「リスクオン資産」というのは、経済が好調な時に、投資家がリスクを取って資金を投じる資産のことです。

初心者にとってビットコインは単なる投資対象以上の意味を持つことがあり、その性質を正しく理解することが大切です。

ビットコインが「リスクオン」資産とされる背後には、仮想通貨が本質的にリスクを含んでいるという認識がありますが、それだけで判断するのは危険です。

ビットコインの真の価値や役割について、正しい理解を持つことが必要です。

ビットコインの「長期的なドライバー」

ミッチニック氏は、ビットコインの価格を長期的に動かす要因は、株式などの一般的な「リスク資産」を動かすものとは異なると述べています。

代表的な例としては、テクノロジー株や成長企業の株が挙げられます。

ビットコインはこれらの資産と同じように扱われがちですが、実際には異なる要因で価格が動くことが多く、場合によっては逆の動きをすることさえあります。

リスク資産のデメリット

リスク資産は高リターンが期待できる反面、いくつかのデメリットがあります。

まず、価格変動が激しいため、短期間で大きな損失を被る可能性があります。

次に、経済状況に依存するため、不況時には価値が急落しやすいです。

さらに、元本割れのリスクも高く、投資額が減少する恐れがあります。

また、価格変動を予測するのが難しいため、正確なタイミングでの売買が困難です。

最後に、精神的な負担が大きく、急な値動きにより投資家が焦って誤った判断をしやすくなります。

リスク資産には大きなリターンのチャンスがある一方で、その性質上、損失のリスクも高いため、投資家は注意深くリスクを理解し、分散投資などの対策を講じる必要があります。

ビットコインの分散投資としての役割

ブラックロックが最近発表したビットコインに関するレポートでも、ビットコインの特性を「ユニークな分散投資」として評価しています。

分散投資とは、投資先を複数に分けてリスクを減らす手法のことです。

ビットコインは、金融市場や地政学的リスクに対して、リスクを避けるための「ヘッジ」としての役割を果たす可能性があるとされています。

ヘッジとは、予期せぬリスクに対してあらかじめ防御策を取ることを指します。

金融市場リスク

金融市場リスクとは、株式市場や債券市場、為替市場など、金融市場全体の変動に伴うリスクを指します。

市場の価格変動や不安定な状況により、投資した資産の価値が下がるリスクがあります。

例えば、経済が予想外に悪化した場合、株価が急落したり、為替が大きく変動したりすることがあり、これが金融市場リスクの一例です。

具体的には、以下のような要因が金融市場リスクに影響を与えます。

  • 金利の変動:中央銀行が金利を引き上げると、借り入れが高くなり、企業の成長が鈍化するため、株価が下がることがあります。
  • インフレ:物価が上昇すると、企業のコストが増え利益が減少するため、株式の価値が下がるリスクがあります。
  • 景気後退:景気が悪化すると企業の業績が低迷し、株式や債券の価値が下がる可能性があります。

地政学的リスク

地政学的リスクとは、特定の国や地域で発生する政治的・軍事的な出来事が、世界経済や市場に与える影響のリスクを指します。

主に国際的な紛争、テロ、貿易摩擦、政権交代などが原因となり、これらの出来事が発生すると、投資先の地域や関連する企業に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 戦争や紛争:例えば、ある地域で戦争が発生すると、その地域の経済活動が停滞し、その国に投資している企業の株価が下がることがあります。
  • 貿易摩擦:例えば、アメリカと中国の間で貿易戦争が起こると、両国に関連する企業や産業が影響を受け、株価や為替が大きく動くことがあります。
  • 政権交代:特定の国で政権が交代し、政策が大きく変わると、経済や金融市場にも大きな影響が出る場合があります。

初心者の方にとって、金融市場リスクや地政学的リスクを理解することは重要です。

なぜなら、これらのリスクが突然発生すると、投資資産に大きな影響を与える可能性があるからです。

そのため、こうしたリスクに備えるために、投資ポートフォリオを分散することが推奨されています。

ビットコインは「非主権資産」

ミッチニック氏は、ビットコインを「新興のグローバルな代替通貨」として考えるべきだと説明します。

ビットコインの主な特徴は、希少であり、世界中で取引できる点、そして特定の国家の管理下にない「非主権資産」であることです。

非主権資産とは、中央政府や銀行などの監視・管理を受けない資産のことで、従来の金融システムに依存しないものです。

このため、ビットコインには国家や伝統的な金融機関に関連するリスクが少ないと考えられています。

リスクオン vs リスクオフ

ビットコインが「リスクオン」資産として語られると、投資家が混乱する可能性があるとミッチニック氏は強調しています。

ここで「リスクオン資産」とは、経済が好調な時期に高リターンを狙える資産のことで、株式や成長株、テクノロジー企業、または仮想通貨の一部が該当します。

一方で、ビットコインは市場の不確実性が高まる時期や経済の低迷期に強みを発揮する「リスクオフ資産」として考えるべきだというのがミッチニック氏の見解です。

「リスクオフ資産」とは、経済が不安定な時期に価値が下がりにくい資産で、金や銀、政府発行の債券、米ドルなどが該当します。

初心者にとっては、ビットコインがどのようにリスクを分散し、どんな状況で強みを発揮するのかを理解することが重要です。

ビットコインは、ただの投機的な資産ではなく、分散投資やリスクヘッジの一環として考えられる可能性があるため、長期的な視点でその特性を理解することが鍵となります。

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