ビットコインを財務資産として保有する上場企業が増加中

世界では現在、70社以上の上場企業がビットコイン(BTC)を財務資産として保有しています。

この記事では、ビットコインを多く保有している企業やその理由について、分かりやすく理解できるように解説します。

上位5社とビットコイン保有数

以下は、ビットコインを最も多く保有している上場企業トップ5の一覧です。

  1. マイクロストラテジー: 444,262 BTC
  2. マラソンデジタル: 44,394 BTC
  3. ライオットプラットフォームズ: 17,429 BTC
  4. ハット8: 10,096 BTC
  5. テスラ: 9,720 BTC

1位のマイクロストラテジーは、2位のマラソンデジタルに約10倍もの差をつけてトップに立っています。

なぜ企業はビットコインを保有するのか?

ビットコインを保有する理由は主に3つあります。

価値の保存

ビットコインは、金(ゴールド)のように価値を保ちやすいとされています。その理由は、いくつかの特性に基づいています。

 発行量が制限されている

ビットコインの最大供給量は2,100万枚と決められています。

この制限はブロックチェーンという技術で厳密に管理されており、誰も変更することができません。

一方、法定通貨は政府や中央銀行によって自由に発行量を増やすことができます。

この違いが、インフレの影響を受けにくい理由の一つです。

供給量が増えないビットコインは、需要が高まれば価値が上昇する仕組みになっています。

分散型システム

ビットコインは、中央集権的な管理機関を持たない分散型システム上で運用されています。

そのため、政府や金融機関の政策に直接影響されることがありません。

これにより、法定通貨がインフレで価値が下がった場合でも、ビットコインの価値がそれに引きずられるリスクが低くなります。

グローバルで取引可能

ビットコインは国や地域を問わず、世界中で取引可能なデジタル資産です。

法定通貨の場合、特定の国の経済状況や通貨政策が価値に大きく影響しますが、ビットコインは特定の国に依存しません。

このため、ある国の通貨価値が下落しても、ビットコイン全体の価値には影響しにくい構造になっています。

デジタルゴールドとしての認識

ビットコインは「デジタルゴールド」として認識されています。

金と同様に、希少性が高く、分割可能で保存が簡単であることから、価値の保存手段として利用されています。

インフレが進行する際、法定通貨の価値が下がる一方で、金やビットコインのような資産には資金が流れ込み、価値が維持または上昇する傾向があります。

投資利益の可能性

ビットコインは、過去にその価格が大きく上昇した実績があります。

例えば、2010年には1BTCが1ドル未満で取引されていましたが、2024年には1BTCが100,000ドルを超えるなど、約10年間で何千倍もの価格上昇を記録しました。

このような驚異的な成長から、ビットコインは将来的にも価格が上昇する可能性があると考えられています。

ビットコインを資産運用に活用

ビットコインは、不動産や株式と同じように資産運用の一環として利用されています。

不動産投資では、土地や建物を購入してその価値が上がることで利益を得ることを目指します。

同様に、株式投資では、株価の上昇や配当金から利益を得ることが目的です。

ビットコインもこれらの投資手段と似た性質を持ちます。

価格が上昇すれば、それを売却することで利益を得ることが可能です。

また、最近ではビットコインを預けて利息を得られるサービスも登場しており、金融商品としての選択肢が広がっています。

このように、ビットコインはデジタル時代の新しい資産運用手段として注目されています。

日本企業ではビットコイン投資をしていないのか?

一部の日本企業が小規模にビットコインを保有している可能性はありますが、アメリカのマイクロストラテジーやテスラのように、大規模に購入して財務戦略の中心に据えている事例はほとんどありません。

その理由として、以下の要因が挙げられます:

  1. 規制の厳しさ
    日本は暗号資産に関する法律や規制が厳しいため、企業が大規模に投資する際のハードルが高い状況です。特に、税制が複雑であることや、ビットコインの会計処理に関するルールが未成熟な点が、企業の慎重な姿勢につながっています。
  2. リスク回避の文化
    日本企業は一般的にリスクを避ける傾向が強く、価格変動の激しいビットコインを大量に保有することは、財務的な安定性を損なう可能性があると考えられています。
  3. 既存の資産運用への依存
    日本企業は、不動産や国内外の株式など、より伝統的で安定した資産への投資を優先する傾向があります。これにより、暗号資産への投資はまだ主要な戦略にはなっていません。

今後、日本の規制が緩和されたり、ビットコインの価格がさらに安定してきたりすれば、日本企業がビットコインを積極的に投資資産として採用する可能性もあります。

それまでは、不動産や株式など、既存の投資手段が中心であり続けるでしょう。

株式価値の向上

マイクロストラテジーのように、ビットコインを保有することで株式の価値を高める戦略を取っている企業もあります。

同社は、ビットコインを購入することでその株式が”ビットコインへの投資手段”と見なされるようになり、結果として株価が上がっています。

マイクロストラテジー社の概要と戦略

会社概要

マイクロストラテジー(MicroStrategy)は、アメリカに本社を置くソフトウェア企業で、1989年に設立されました。

同社は主に企業向けのビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションを提供しており、大規模なデータ分析やレポート作成の分野で知られています。

ビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションとは、企業が膨大なデータを分析し、それをもとに効果的な意思決定を行うためのツールやシステムのことを指します。

たとえば、売上データを分析して市場のトレンドを予測するなど、経営の改善に役立つ情報を提供します。

現在、マイクロストラテジーはビットコインへの大規模投資でその名を世界的に知られるようになりました。

ビットコイン戦略

1位のマイクロストラテジーは、特に積極的にビットコインを購入している企業です。

直近では、880億円相当のビットコインを買い増しており、これで7週連続の購入となりました。

同社は単にビットコインを保有するだけでなく、それを戦略的に活用しています。

例えば、同社は自社株をビットコインへの間接投資手段として位置づけています。

この動きにより、株式市場での注目を集め、投資家の支持を得ています。

さらに、同社はアメリカの主要株価指数であるナスダック100(NASDAQ-100)に加わりました。

ナスダック100(NASDAQ-100)は、アメリカの株式市場で最も影響力のある100社の株式で構成された指数です。

この指数には、テクノロジーやイノベーション分野で活躍する企業が多く含まれています。

マイクロストラテジーがこの指数に加わることで、投資家の信頼がさらに強まり、資金調達やビットコイン購入を継続するための後押しとなっています。

まとめ

ビットコインを保有する上場企業が増える背景には、資産を守るためや投資利益を得るための理由があります。

特に、マイクロストラテジーのような企業は、ビットコインを戦略的に活用し、株価の上昇を実現しています。

ナスダック100への参入や継続的な購入戦略を通じて、マイクロストラテジーはビットコイン市場におけるリーダー的存在となっています。

この動きは他の企業にも影響を与え、さらなるビットコインの普及を促進する可能性があります。

ビットコインについてまだよくわからない方も多いかもしれませんが、この記事がその仕組みや魅力を理解するきっかけになれば幸いです。

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