アルゼンチン新大統領、ハビエル・ミレイ氏の仮想通貨政策と期待

アルゼンチンは、2022年12月10日に新たな歴史的瞬間を迎えました。

右派のハビエル・ミレイ氏が国の舵を取る大統領に就任し、その経済政策、特に仮想通貨に関する方針が国内外の注目を集めています。

仮想通貨コミュニティは、ミレイ氏がエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領のように、国をデジタル通貨の採用に導くことを期待しています。

この記事では、ミレイ氏の政権下での仮想通貨政策、専門家やビットコイン支持者からの期待と懸念、そして彼の経済改革に対する国内外の反応を掘り下げています。

アルゼンチンがこの新しいデジタル時代にどのように適応し、進化するかは、世界中の投資家や政策立案者にとって重要な指標となるでしょう。

大統領就任とビットコインコミュニティの期待

2022年12月10日、アルゼンチンにおいて右派のハビエル・ミレイ氏が大統領に就任しました。

彼の政権下での仮想通貨の採用について、仮想通貨コミュニティからはエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領が行ったレベルの仮想通貨採用を期待する声が高まっています。

ラテンアメリカのニュースサイト「Cryptonoticias」は、ミレイ氏の就任当日に「ビットコインコミュニティからのミレイ氏への3つの要請」を報じました。

ビットコイン・アルゼンチンの要求

非営利団体「ビットコイン・アルゼンチン」の副会長、カミロ・ホラジュリア氏は、ミレイ氏に対して国民のプライバシーを尊重するよう求め、金融活動作業部会（FATF）の「極めて厳しい措置」を導入しないことを強く要請しました。

これらの措置には、仮想通貨事業者が送信者および受信者の情報を共有することを義務付けるFATFの「トラベルルール」が含まれています。

ホラジュリア氏はまた、エルサルバドルをビットコインの採用と規制のモデルとして引用し、アルゼンチンにおける同様の取り組みを支持しました。

専門家の視点とミレイ氏の通貨政策

アルゼンチンの仮想通貨アドバイザーであるアダム・デュボヴ氏は、ミレイ氏が通貨改革の約束を守り、国の中央銀行であるバンコ・セントラル・デ・ラ・レプブリカ・アルゼンチン（BCRA）の規制体制を「解体し始めるべき」との見解を示しています。

一方、エルサルバドル政府の元職員モニカ・タヘール氏は、アルゼンチンの経済規模を踏まえ、政府がデジタルエコシステムを促進することで、エルサルバドルからの投資家を引き寄せる可能性があると予測しています。

ミレイ氏の選挙勝利とビットコイン擁護者の懸念

ミレイ氏は、BCRAの廃止や国家経済の完全なドル化など、急進的な改革を約束して、2022年11月19日の大統領選挙で勝利しました。

しかし、アルゼンチンのビットコイン擁護者であるフェルナンド・ニコリッチ氏は、ミレイ氏への仮想通貨コミュニティの熱狂が、「ビットコインフレンドリー」とされる法律の通過が彼の公約ではないという事実によって抑えられるべきだと述べています。

このように、アルゼンチンの新大統領ハビエル・ミレイ氏の就任は、国内外の仮想通貨コミュニティに大きな関心を集めており、その政策と取り組みに対する期待と懸念が寄せられています。

エルサルバドルのビットコイン政策

エルサルバドルが世界で初めてビットコインを法定通貨として採用してから、国内での仮想通貨普及は依然として限定的なものとなっています。

エルサルバドルの仮想通貨保有者数、国際的な仮想通貨採用の状況、そして政府の新たな投資誘致策について深掘りします。

エルサルバドルのビットコイン保有者数

コインゲッコーの最新報告書によると、エルサルバドルの人口636万人の中でビットコインを保有しているのは約10万9175人、つまり国民の約1.72%に過ぎません。

この報告書は、「エルサルバドルにおけるビットコインの採用は相対的に低い」と指摘しています。

世界的な仮想通貨採用の比較

興味深いことに、仮想通貨の使用が禁止されている中国では、人口の約4.08%（5800万人）が仮想通貨を所有していると推定されています。

エルサルバドルは、仮想通貨採用指数で世界55位にランクされており、仮想通貨禁止国家を含む一部の国々は、エルサルバドルよりも速い成長率を経験しています。

政府のビットコイン投資と成果

ナジブ・ブケレ大統領によると、エルサルバドル政府のビットコイン投資合計は1億3100万ドルに達し、これが360万ドルの純利益、総利益率2.84%をもたらしています。

ブケレ大統領は、ビットコインの市場価格に基づく損失の嘲笑に対して、現在の市場価格では投資額の100%を回収できるだけでなく、追加で360万ドル以上の利益が得られるとツイートしました。

新しい市民権イニシアティブ

エルサルバドル政府は、国内での仮想通貨投資を増やすために新たな取り組みを開始しました。

12月8日、政府はビットコインまたはテザーで100万ドルを投資する個人に対し、居住ビザと市民権を提供する新しいイニシアティブを発表しました。

これは、国内での仮想通貨の普及と投資を促進するための重要なステップです。

この記事では、エルサルバドルのビットコイン政策とその国内外での影響、さらには政府の新しい市民権イニシアティブについて解説します。

これらの動きが、国内外の仮想通貨市場にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されます。

まとめ

ラテンアメリカの仮想通貨政策の風景は、アルゼンチンとエルサルバドルの異なるアプローチによって形成されています。

アルゼンチンでは、ハビエル・ミレイ新大統領の下で仮想通貨政策の進展に対する期待が高まっています。

ミレイ政権は、エルサルバドルのビットコイン採用に匹敵するレベルの仮想通貨政策を推進することが期待されており、この動きは国内外の仮想通貨市場に新たな活力をもたらす可能性があります。

一方で、エルサルバドルではビットコインを法定通貨として採用しているにもかかわらず、国民の間での普及は限定的な状況にあります。

この低い普及率は、技術的な障壁や経済的な課題を反映している可能性があり、政府は新しい市民権イニシアティブを通じて投資を促進しようと努めています。

このように、アルゼンチンとエルサルバドルの仮想通貨政策は、今後の国際的な仮想通貨トレンドに影響を及ぼす重要な要素となっています。

両国の政策と市民の反応から、仮想通貨の普及と規制のバランスを見極めるための貴重な洞察が得られるでしょう。