日本の暗号資産税制に迫る変革:玉木雄一郎氏が税制見直しを提案

近年、暗号資産(仮想通貨)に対する関心が高まる中、その税制や規制に対する見直しの声が強まっています。

国民民主党の代表である玉木雄一郎氏は、自民党総裁選挙で「金融資産課税」が重要なテーマとなることを受け、日本の暗号資産に関する税制や規制の改正を求めています。

金融資産課税とは、銀行口座に預けたお金や株式、不動産、そして暗号資産など、投資や貯蓄で得られる資産に課される税金のことです。

日本の現行の税制では、暗号資産にかかる税金は他の資産と比較して高く設定されており、特に個人投資家には大きな負担となる場合が多いです。

暗号資産は、デジタル通貨として知られ、ビットコインやイーサリアムなどが有名です。

これらはブロックチェーンという技術を使って、インターネット上で取引が行われるデジタル資産ですが、価格が大きく変動するため、投資対象としても注目されています。

玉木氏の提案は、暗号資産の税負担を軽減し、国内での利用促進や投資環境の整備を目的としています。

これにより、個人投資家や企業が暗号資産をより自由に利用できるようになり、日本の経済成長にもつながる可能性があります。

今後の動向によって、税制や規制がどう変わるかは、多くの暗号資産ユーザーにとって重要な関心事となるでしょう。

暗号資産に関する基本的な知識がなくても、こうした税制や規制の見直しがどのように私たちの生活に影響を与えるのかを理解することができます。

この記事では、最新のニュースとその背景について初心者向けに解説していきます。

玉木氏の提案する暗号資産税制改革:4つの主要な政策

国民民主党の代表、玉木雄一郎氏は、2023年9月4日のX(旧Twitter)で、日本の暗号資産市場の現状について言及しました。

彼によれば、現在、日本には1000万を超える暗号資産取引口座が存在し、預託残高(投資家が保有する資産総額)は約3兆円にも達しています。

これを踏まえ、玉木氏は暗号資産市場のさらなる成長を促進するために、具体的な政策パッケージを提案しています。

申告分離課税と損失繰越控除

玉木氏は、現在「雑所得」として分類されている暗号資産を「金融所得」と同様に扱い、20%の申告分離課税の対象にすべきだと提案しています。

申告分離課税とは、他の所得とは分けて、特定の所得に対して一律の税率を適用する仕組みのことです。

これにより、所得税の最高税率(最大45%)に比べて、投資家にとって税負担が軽減されることになります。

さらに、玉木氏は「損失繰越控除」の適用を提案しています。

損失繰越控除とは、ある年に暗号資産の取引で損失が発生した場合、その損失を翌年以降(3年間)に繰り越して税金の計算に反映できる仕組みです。

これにより、投資家は損失が発生した年の税負担を軽減し、後年に利益が出た場合でも損失分を相殺することが可能となります。

暗号資産同士の交換時の非課税化

次に、玉木氏は暗号資産同士の交換(例:ビットコインからイーサリアムへの交換)に対して課税しないようにすることを提案しています。

現在の制度では、暗号資産同士の交換も売買と同様に扱われ、利益が出た場合には課税対象となります。

しかし、これが非課税となることで、投資家はより柔軟に異なる暗号資産へ投資をシフトできるようになり、市場の活性化が期待されます。

レバレッジ規制の緩和

さらに、玉木氏は暗号資産取引におけるレバレッジ(借り入れた資金を使って取引を行うこと)の倍率を引き上げる提案も行っています。

現在、日本ではレバレッジ倍率は2倍に制限されていますが、これを10倍に引き上げ、個人投資家に対しては最大5倍のレバレッジを認めるという内容です。

これにより、投資家はより大きな利益を狙えるようになりますが、同時にリスクも増大するため、十分なリスク管理が求められます。

暗号資産ETFの導入

玉木氏の提案には、暗号資産ETFの導入も含まれています。

ETF(上場投資信託)とは、株式市場で売買できる投資信託のことで、投資家は個別の暗号資産を直接保有することなく、ETFを通じて間接的に暗号資産に投資できるようになります。

これにより、より多くの投資家が簡単に暗号資産市場に参加できるようになるため、市場の拡大が期待されます。

日本の暗号資産市場の成長への期待

玉木氏は、これらの政策が導入されれば、日本の暗号資産市場が世界市場の10~15%を占めるシェアに回復すると予想しています。

さらに、数十兆円規模の資産増加と、それに伴う税収の向上が期待できると主張しています。

また、玉木氏は暗号資産業界の発展が日本のデジタル貿易赤字の解消にも寄与すると強調しています。

デジタル貿易赤字とは、国が輸入するデジタルサービスの金額が輸出する金額を上回る状態を指します。

この問題を解消するためにも、Web3(次世代のインターネット技術)や暗号資産ビジネスの積極的な活用が必要だとしています。

国民民主党の公約への反映

最後に、玉木氏は、これらの政策を国民民主党が次の衆議院選挙で公約に盛り込む予定であることを明らかにしました。

彼は、暗号資産業界の関係者に対しても広く支援を呼びかけ、日本が世界的な暗号資産市場において再び強い競争力を持つための基盤を整える意欲を示しています。

これらの政策が実現すれば、日本の暗号資産市場はより透明で参加しやすくなり、投資家にとっても魅力的な環境が整うことでしょう。

日本の暗号資産市場と株式投資市場の規模の違い


日本の暗号資産市場は急成長を遂げており、1000万口座、約3兆円の預託残高を持つ大きな市場になっています。

しかし、その規模は依然として日本の株式投資市場には及びません。

日本の株式市場では、時価総額が約5300兆円にも達し、多くの個人投資家や機関投資家が安定したリターンを目指して投資しています。

これに比べ、暗号資産市場はまだ発展途上の分野といえますが、その成長のスピードは注目に値します。

リスクとリターンの違い

株式投資と暗号資産投資の間にはリスクとリターンの面で大きな違いがあります。

株式投資は企業の成長や業績に基づいた比較的安定した投資先で、政府の厳格な規制や企業の透明性が確保されているため、投資家にとって安心感があります。

これに対し、暗号資産市場は新しい技術であるブロックチェーンを基盤としており、価格の変動が激しいため、リスクも高いものの、短期的に大きなリターンを得る可能性があるのが特徴です。

税制の違いとその影響

暗号資産と株式投資のもう一つの大きな違いは税制です。

株式投資の利益は「金融所得」として分類され、一律20%の申告分離課税が適用されます。

しかし、現行の日本の暗号資産税制では、利益は「雑所得」として最大45%の税率が適用される場合があり、投資家にとっては非常に負担が大きいものとなっています。

玉木氏が提案している税制改正が実現すれば、暗号資産も株式投資と同様の20%の課税率で取引が可能となり、投資家にとって有利な環境が整います。

暗号資産市場の将来性

暗号資産市場は、規模の面では株式市場に劣るものの、その将来性には大きな期待が寄せられています。

特に、デジタル通貨の導入やブロックチェーン技術の発展により、暗号資産はグローバルな金融市場において重要な役割を果たす可能性があります。

玉木氏の提案する税制改革や規制緩和が実現すれば、日本国内での暗号資産市場はさらに活性化し、新しい投資家が参入しやすい環境が整います。


また、暗号資産に関連する技術やビジネスは、Web3と呼ばれる次世代のインターネット技術にも大きな影響を与えています。

これにより、日本がデジタル貿易赤字を解消し、世界的なデジタル経済の中心地としての地位を確立するためには、暗号資産市場の成長が欠かせない要素となるでしょう。


暗号資産市場はリスクを伴う一方で、その急成長と技術革新により、今後の経済発展において重要な役割を果たす可能性が高く、投資家や企業にとっても魅力的な市場として注目されています。

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