最近のWeb3ゲーム業界、ちょっと大変なことになってます。
なんとなく話題になったゲームに投資家がガンガンお金を入れる時代は終わり、本当に価値のあるゲームだけが生き残る流れになっているんです。
Web3ゲームは、ブロックチェーンという技術を使ったゲームのこと
普通のゲームとちがって、ゲーム内のアイテムやお金を自分のものとして持てるのが特徴です。
普通のゲームでは、買ったアイテムはゲームの中でしか使えない。
でも、Web3ゲームではアイテムが「NFT」になっていて、ゲームが終わってもなくならないし、他のプレイヤーに売ることもできるよ。
「Play-to-Earn(P2E)」という仕組みがあるWeb3ゲームでは、プレイすると仮想通貨がもらえて、それを本物のお金に変えることもできるんだ。
でも、お金目当ての人が増えすぎて、ゲームがつまらなくなることもあるから、最近はP2Eだけでは成功しにくくなってるよ。
普通のゲームでは、運営会社がすべてのルールを決めるけど、Web3ゲームでは「DAO(分散型自律組織)」という仕組みを使って、プレイヤーがルール変更に投票できることもあります。
Web3ゲームは「イーサリアム」や「ポリゴン」というブロックチェーンの上で動くことが多いけど、『アクシ・インフィニティー』を作った「スカイ・メイビス」の「ローニン」みたいに、ゲーム専用のブロックチェーンを作る会社もあるよ。
「ガンジラ・ゲームズ」(ドイツのフランクフルトに拠点を置くゲーム開発会社)のWeb3ディレクターであるセオドア・アグラナトさんは、今の状況を「椅子取りゲームみたいなもの」と表現しました。
つまり、お金の流れが変わらず、同じ投資が違うプロジェクト間をグルグル回っているだけで、新しい資金が入ってきていないということ。
プレイヤーも似たような動きをしていて、あるゲームで利益を得ると、次のゲームへと移ってしまうんです。
そんな中、期待されていたWeb3ゲーム『イルビウム』は、資金を守るために40%の従業員を解雇しました。
『アクシ・インフィニティー』を作った会社「スカイ・メイビス」(ベトナム発のブロックチェーンゲーム企業)も、去年10月に21%の人員を減らしてコストを抑えています。
じゃあ、Web3ゲームの未来は暗いの? というと、そういうわけでもありません。
投資家たちは今でもお金を持っています。
ただ、「よくわからないけど流行ってるらしい」みたいな理由では、もうお金を出してくれないのです。
スカイ・メイビスの共同創設者、ジェフリー・ザーリンさんはこう言います。
「Web3ゲームが特別に苦しいわけじゃない。仮想通貨全体の市場が厳しいんだ。」
でも、全てのWeb3ゲームがダメになっているわけではありません。
たとえば、モバイル向けWeb3ゲーム『フェイブルボーン』は、16,000%のオーバーサブスクライブ(=想定よりも16,000倍の応募が殺到!)を記録し、スカイ・メイビスのブロックチェーン「ローニン」に新しい資金が流れました。
この結果が意味するのは、「いいプロジェクトにはお金が集まる」ということ。
逆に、単に「アクシ・インフィニティーを超えるぞ!」と意気込んで作られたゲームは、期待に応えられず消えていく運命なのです。
一方、『ザ・サンドボックス』のCOO、セバスチャン・ボルジェさんは「椅子取りゲーム」という表現に反論。
「確かに新しい資金は減った。でも、前みたいに“話題だけ”で投資されることも減った。それって、むしろ健全なんじゃない?」
たしかに、過去のWeb3ゲームは「NFTを入れれば売れる!」みたいなノリがありました。
でも、ゲームトーナメントプラットフォーム「コロシアム」のマーケティング責任者、ジョシュ・ギアさんはこう言います。
「もうそんな時代じゃないよ。」
シグマ・キャピタルのCEO、ヴィニート・ブドキさんも、「本当に強いプロジェクトには、今でもアニモカ・ブランズみたいな投資会社が資金を出している」と話します。
ただし、ゲーム開発には時間がかかるため、すぐに利益を出すのは難しく、投資回収にも時間がかかるのです。
昔は「かっこいい動画を作って、NFTの売り方を工夫すれば資金が集まる」時代でした。
でも、今は違います。
これからのWeb3ゲーム業界で成功するのは、「本当に面白いゲーム」を作れるチームだけ。
じゃあ、どういうチームが「本当に面白いゲーム」を作れるのか? それは——
✔ ゲームとして面白いかをちゃんと考えている(ブロックチェーンありきじゃなく、ゲームそのものが魅力的)
✔ 長く遊べる仕組みを作っている(最初だけ盛り上がる「一発屋」ではなく、継続的に遊びたくなる工夫がある)
✔ 経済の仕組みがしっかりしている(ゲーム内のお金がうまく回る設計になっている)
✔ ファンを大切にする(一時的な話題ではなく、プレイヤーが「このゲームが好き!」と言いたくなる)
これらが揃ったチームが、選ばれる時代になったのです。
逆に、「とりあえずブロックチェーン技術を入れました!」みたいなゲームは、もう通用しません。
もう、NFTがあるだけで数百万ドルが集まる時代は終わりました。
投資家は「確実に長く遊ばれるゲーム」にしか興味がありません。
もし「Web3ゲーム業界は終わりだ!」と感じている人がいたら、それはちょっと違います。
これからは、「本物だけが生き残る」時代が来る、ということです。

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