【初心者向け】ビットコインが企業の財務戦略になる日──10年後には「あたりまえ」に?

ビットコインが「企業のお金」として使われ始めている!?

最近、「ビットコイン(BTC)」という言葉を聞くことが増えていませんか?

もともとはインターネット上の“お金”としてスタートしたビットコインですが、いまでは大手企業の“財務(ざいむ)”の中に入りこみつつあるのです。

アメリカの調査会社「アーキテクト・パートナーズ(Architect Partners)」の専門家によると、今後10年で、多くの有名企業がビットコインを自分たちの「会社のお金」として使うようになるかもしれないといいます。

この記事では、なぜ企業がビットコインを持ち始めているのか、その背景や意味をやさしく解説していきます。

企業がお金を“ビットコイン”で持つ時代が来る?

アーキテクト・パートナーズのアナリスト、エリオット・チュンさんによると、2030年までにアメリカの大手企業の約4分の1(S&P500企業)が、ビットコインを会社のお金の一部として保有するようになる可能性があるといいます。

これはとても大きな変化です。

なぜなら、これまで企業のお金といえば「ドル」や「円」などの法定通貨(国が発行するお金)が普通だったからです。

でも今、企業はインフレ(物の値段が上がること)への対策や、資産の分散を考えて、ビットコインを“長期的な資産”として持つようになってきているのです。

トレーディングデスクから財務部門へ──どういう意味?

▶ トレーディングデスクって何?

まず、「トレーディングデスク」とは何でしょうか?

これは、株や暗号資産を売り買いする部署のこと。

企業の中にある“投資を専門にするチーム”と思ってください。昔は、ビットコインはこういった部署で、短期的に売買して利益を出すために使われていました。

でも今は、それだけではありません。

ビットコインは企業の財務部門(お金の管理をする部署)でも注目され始めています。
つまり、ビットコインを“資産のひとつ”として、会社のお金の中に組み込もうとしているのです。

実際にビットコインを導入した企業の例:マイクロストラテジー

この流れを最初に始めたのが、アメリカの企業「マイクロストラテジー(MicroStrategy)」です。

2020年8月、当時のCEO(社長)マイケル・セイラーさんは、会社の資産としてビットコインを公式に購入しました。

このとき、彼はこう考えていました。

  • インフレ対策(お金の価値が下がってもビットコインなら守れる)
  • 資産の分散(いろいろな形でお金を持つことでリスクを減らす)
  • 差別化(他社とはちがう戦略をとることで注目される)

結果として、マイクロストラテジーの株価は2000%以上も急上昇しました。

これにより、「ビットコイン=財務戦略の一部」とする企業が他にも出てきました。

GameStopもビットコイン導入を発表!

2025年現在、ゲームショップなどを運営する「GameStop(ゲームストップ)」という企業も、ビットコインを買うと発表しました。

そのために、転換社債(てんかんしゃさい)という仕組みを使って13億ドル(約1950億円)を調達。これもまた、企業が本気でビットコインに投資を始めた例のひとつです。

※転換社債とは:あとで株に変えることができる、特別な借金のようなもの。

ただし、GameStopの株価は発表直後に急上昇したものの、その後1週間で15%下がったという一面もあります。やはり、投資にはリスクもあるということですね。

「ビットコインを無視することがリスク」になる時代へ

アーキテクト・パートナーズのチュンさんは、「ビットコインを何もせず無視することが、今後は“キャリアリスク”になる」と警鐘を鳴らしています。

つまり、財務担当者がビットコインに対応しないと、「何もしていない=時代についていけてない」と見なされてしまう時代が来るというのです。

今、どれくらいのビットコインが企業に保有されているの?

「BitcoinTreasuries」という情報サイトによると、現在上場企業だけで66万5618BTC(ビットコイン)を保有しており、これはビットコインの総供給量(2100万BTC)の約3.17%にあたります。

特にマイクロストラテジーは、なんと50万6137BTCも持っており、企業の中ではダントツの保有量です。

まとめ:ビットコインはこれから“企業のスタンダード”に?

かつては一部の投資家やマニアのものであったビットコインが、今や大企業の財務戦略の一部になろうとしています。

10年後、ビットコインは「会社のお金の一部」として、ふつうに使われるようになっているかもしれません。

そしてあなたが大人になって働く頃、会社で「資産としてビットコインを持つべきか?」なんて会議が当たり前のように行われている未来も、そう遠くないかもしれません。

今後、ビットコインは「企業の資産」としてだけでなく、もっと日常的なシーンでも使われる可能性があります。

たとえば──

  • 海外旅行に行くときに、両替(りょうがえ)をしなくてもビットコインで支払いができる。
  • オンラインショッピングで「クレジットカード」「電子マネー」と並んで「ビットコインで払う」ボタンがある。
  • アプリ1つで世界中に送金(お金を送ること)ができて、手数料もすごく安い。

こんな時代が来るかもしれません。

なぜなら、ビットコインには「国境がない」「銀行を通さずにやりとりできる」という強みがあるからです。

さらに最近は、政府や大手銀行もブロックチェーン(ビットコインのしくみの土台になる技術)に注目していて、「デジタル円」や「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」といった動きも出ています。

こうした技術の進化と並行して、ビットコインは“インターネットの金(ゴールド)のような役割を果たしていく可能性があると多くの専門家が考えています。

ただし、普及にはまだいくつかの課題もあります。

  • 価格の変動(上下)が大きいこと
  • 国ごとのルールがバラバラなこと
  • 一般の人にとって使い方がまだ難しいこと

このような課題を乗り越えるには、「ルールを整える人」「わかりやすく伝える人」「使いやすくする技術者」など、さまざまな立場の人の協力が必要です。

それでも、今こうして世界中の企業がビットコインを本気で取り入れ始めていることは、未来の通貨が現実になりつつある証拠”ともいえるでしょう。

これからの社会で、「ビットコインを知らないと損をする時代」がやってくるかもしれません。

でも逆に、いまから少しずつ理解を深めておけば、「新しいお金」に強い世代として未来で活躍できるかもしれませんね!

📝 用語まとめ(おさらい)

  • ビットコイン(BTC):インターネット上で使える“新しいお金”。中央銀行が発行するのではなく、ブロックチェーンという技術で管理されている。
  • インフレ:お金の価値が下がって、物の値段が上がること。
  • 資産の分散:お金をいろいろな形(現金、不動産、暗号資産など)で持つことで、リスクを減らす方法。
  • トレーディングデスク:企業内で株や暗号資産を売買する部署。
  • 財務部門:会社のお金の管理や計画をする部署。
  • 転換社債:将来、株に変えられる特別な借金のような金融商品。

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