先進国と新興国って、ニュースでよく耳にしますよね。
でも、この二つの言葉の意味や違いをちゃんと説明できるでしょうか?
「なんとなく知ってはいるけど、何がどう違うのかイマイチわからない…」そんなふうに感じている方も多いかもしれません。
大丈夫です!この記事では、先進国と新興国の違いをやさしく解説します。
難しそうに聞こえる経済の話題でも、ポイントを押さえればニュースがわかるようになりますよ。一緒に見ていきましょう。
先進国と新興国を分けるのはなぜ?
まず、どうして国を「先進国」と「新興国」に分けるのか、不思議に思いますよね。
世界には約200の国がありますが、それぞれ経済の発展度合いが違います。
国によってお金持ちの度合いや技術の発達具合に差があるため、似たようなレベルの国同士をグループに分けて考えると便利なんです。
例えば、先進国同士だと共通の課題や話題(高度な技術の発展や高齢化社会の問題など)があり、新興国同士だと別の共通点(経済成長が速い、道路や電気などの基盤がまだ整っていないなど)があります。
ニュースでも「新興国では経済成長が著しい」といった具合に、それぞれのグループの特徴をまとめて伝えられることが多いですよね。こうした区分を知っておくことで、ニュースの内容も理解しやすくなります。
また、国際的な場面では先進国と新興国で役割が違うこともあります。
先進国は経済的に余裕があるぶん、発展途上にある国(新興国やそれより貧しい国々)を支援したり、技術協力を行ったりします。
一方、新興国は成長途上なので、他の国から投資を受け入れたり、技術を学んだりして発展しようとしています。
先進国と新興国に分けることで、そうした国際協力の話題も理解しやすくなるんですね。
先進国と新興国の意味と特徴
それでは、先進国と新興国とは具体的にどんな国のことを指すのでしょうか。
簡単に言うと、次のようにまとめられます。
- 先進国= 経済的に豊かで、技術力や生活水準が高く、社会が成熟した国のこと。
- 新興国= 経済が発展している途中で、これからの成長が期待される国のこと。
先進国とは、世界の中でも特に経済力が高く、人々の暮らしが豊かな国を指します。
工業や技術が発達していて、一人ひとりが稼ぐお金(所得)も多く、教育や医療など社会の仕組みがしっかり整っているのが特徴です。
英語では「Developed Country(発達した国)」とも呼ばれ、その名のとおりすでに発達しきった国というイメージです。
それに対して新興国とは、経済がまさに発展している最中の国々を指します。
「新興」とは「新しく興(おこ)る」、つまり新たに台頭してきているという意味です。
昔はあまり豊かではなかったけれど、近年になって工業化が進んだり経済成長が著しかったりして、世界経済の中で存在感を増してきた国々です。
英語では「Emerging Country(台頭しつつある国)」と呼ばれます。
ちなみに、「新興国」は「発展途上国(はってんとじょうこく)」とほぼ同じ意味で使われます。
学校の教科書などでは発展途上国=開発途上国という言葉の方が出てくるかもしれませんね。
発展途上国とは、まだ発展している途中の国という意味で、新興国はその中でも特に経済成長が著しくこれからが期待できる国のことを指すことが多いです。
反対に、発展途上国の中でも特に生活水準が低い国々は「後発開発途上国」と呼ばれることもありますが、それらは新興国というよりさらに厳しい状況の国々です。
先進国と新興国の違い
先進国と新興国の大きな違いは「経済力と生活水準の差」と言えます。
先進国では一人当たりの収入(所得)が高く、車や家電なども多くの人が持っています。
毎日の食べ物やきれいな水、電気なども当たり前に使え、学校教育や病院などのサービスも充実しています。簡単に言えば豊かな暮らしができている国が先進国です。
一方、新興国では一人当たりの収入は先進国ほど高くありません。
都市部では高層ビルが立ち並び経済成長が進んでいても、地方にはまだまだ貧しい地域があったりします。
スマホやテレビは普及してきたけれど、最新の技術では先進国に追いついていない部分もあります。
ただし、その分経済の伸びしろ(成長の余地)が大きく、毎年高い経済成長率を記録する国も多いです。「これからどんどん豊かになっていくかもしれない国」が新興国だと言えます。
先進国と新興国では経済成長のスピードも違います。先進国はすでに成熟している分、年々の成長率(GDPの伸び率)はゆるやかです。
それに対して新興国は産業が発展している途中なので、年に5%以上といった高い成長率でぐんぐん経済規模が大きくなることも珍しくありません。
「停滞気味だけど豊かな先進国」と「成長中でこれからが楽しみな新興国」という違いがあるんですね。
世界の先進国・新興国の例
では、具体的に世界にはどんな国が先進国に当てはまり、どんな国が新興国と呼ばれているのでしょうか。
実は、世界には国連加盟国だけでも約190~200の国がありますが、そのうち先進国とみなされている国はごく一部です。
国際通貨基金(IMF)などの基準では、194か国中39か国が先進国、残りの155か国が新興国と分類されています。
つまり先進国は世界でも約2割ほどしかなく、残りの約8割は新興国やその他の発展途上国なのです。
先進国として代表的なのは、北アメリカやヨーロッパの国々です。例えばアメリカ合衆国やカナダ、イギリス、ドイツ、フランスなどがそうです。
これらの国は産業革命などを経て早くから工業化が進み、経済的にも豊かになりました。ヨーロッパ以外では、日本やオーストラリアも先進国に数えられます。
最近では東アジアの韓国やシンガポールなども急速に発展し、先進国の仲間入りを果たしたと言われます。
一方、新興国としてよく名前が挙がるのは、中国、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカなどです。
これらの国々は人口が多く、近年めざましい経済成長を遂げています。
特に中国やインドは経済規模が世界トップクラスになりつつありますが、それでも一人当たりの収入や生活水準では先進国に及ばない部分があるため、まだ「新興国」として扱われることが多いです。
また、東南アジアのタイやインドネシア、ベトナムなども新興国として成長が期待されています。
他にもアフリカや中南米には資源が豊富でこれから発展しそうな国々がたくさんあり、ニュースで「アフリカの新興国」「アジアの新興国」という表現を見かけることもあるでしょう。
日本は先進国?それとも新興国?
では、私たちの暮らす日本はどちらに当てはまるのでしょうか。
答えは日本はれっきとした先進国です。
日本は経済規模(GDP)が世界第3位で、一人当たりの所得も高く、豊かな生活基盤があります。
自動車や家電など日本製の工業製品は世界中で使われており、技術力もトップクラスです。
そのため、日本はアメリカやヨーロッパの主要な国々と並んで「先進国」の一員として認識されています。
実際、日本はアメリカやイギリスなどとともにG7(先進7か国)と呼ばれるグループにも参加しています。
G7は世界を代表する先進国の集まりで、毎年サミット(首脳会議)を開いて経済や平和について話し合っています。
日本がそのメンバーであることからも、日本が先進国であることは明らかですね。
とはいえ、日本も昔から先進国だったわけではありません。
今でこそ豊かな日本ですが、第二次世界大戦後しばらくは経済的に厳しい時代もありました。
しかし、1950年代から60年代にかけての高度経済成長期に日本は急速に発展し、世界有数の経済大国となりました。
つまり、日本も「新興国」的な時代を経て「先進国」に仲間入りしたと言えます。現在新興国と呼ばれている国々も、将来は日本のように先進国になる可能性があります。
実際、韓国やシンガポールは数十年前まで発展途上国でしたが、今では豊かな国になりました。
このように、先進国と新興国という区分は固定されたものではなく、時代とともに変わることも覚えておきましょう。
まとめ
先進国と新興国の違い、イメージできたでしょうか?
まとめると、先進国は「すでに豊かになった国」、新興国は「これから豊かになりつつある国」ということですね。
それぞれ経済力や生活水準に差があり、ニュースではグループごとの傾向や課題が語られます。
世界全体では先進国の方が少数派で、多くの国が新興国を含む発展途上の国々です。
私たち日本はその少数派の先進国に属しており、国際社会では新興国を支援する立場でもあります。
一方、新興国の側も自国をより発展させようと努力しており、世界の経済地図は日々変化しています。
これからニュースで「先進国」や「新興国」という言葉が出てきても、ぜひ今日学んだ内容を思い出してみてください。
「あ、この国は豊かな先進国なんだな」とか「ここは今成長中の新興国の話題なんだな」というふうに理解できると、ニュースが前よりちょっとわかるようになるはずです。
経済の話も身近に感じられるといいですね!

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