野村が出資するコマイヌ、シンガポールのプロパインを買収へ

参照元:コインテレグラフジャパン

コマイヌというデジタル資産(仮想通貨など)を安全に保管するためのサービスを提供する会社が、シンガポールの同じ分野で活動するプロパインという企業を買収することで合意しました。

この「買収」というのは、ある会社が他の会社をお金を出して手に入れることを意味します。

この取引金額は公開されていませんが、コマイヌにとって初めての大きな動きになる予定です。

デジタル資産カストディという言葉は、少し難しいかもしれません。

デジタル資産とは、例えばビットコインや他の仮想通貨のように、インターネット上で取引されるお金のことです。

そして、カストディというのは「保管」を意味しており、特にデジタル資産を安全に守るためのサービスを指します。

つまり、コマイヌはあなたの仮想通貨を安全な場所に保管してくれる会社なのです。

今回の買収がうまくいけば、コマイヌはさらに大きな成長を目指していくでしょう。

コマイヌのCEOは、これが最初の買収ではあるけれど、今後もこのような動きが続くかもしれないと話しています。

コマイヌとプロンパイン・ホールディングス

コマイヌは2018年に、日本の大手金融グループである野村ホールディングスの子会社レーザーデジタル、仮想通貨企業のコインシェアーズ、ウォレットサービス企業のレジャーの支援を受けて設立されました。

ドバイの規制当局(ドバイの政府機関で、金融サービスを監督するところ)から特別な許可(ライセンス)をもらって、仮想通貨のサービスを提供しています。

また、英国の金融行動監視機構という、イギリスでお金に関するルールを守っているか確認する機関にも、仮想通貨を安全に保管する会社(カストディアンウォレットプロバイダー)として登録されています。

このような許可をもらうことで、コマイヌは安心して仮想通貨を預けることができる信頼できる会社として認められているということです。

これを自分で管理するのは少し難しくて、もし間違ってデータをなくしたり、ハッカーに盗まれたりすると、大切なお金を失ってしまうかもしれません。

そこで、コマイヌのような会社が、その大切なデジタル資産を安全に保管し、守ってくれるのです。

仮想通貨を金庫に入れて守るような役割をしていると考えるとわかりやすいでしょう。

プロパインは、シンガポールにある会社で、コマイヌと同じようにデジタル資産、つまりビットコインなどの仮想通貨を安全に保管するカストディサービスを提供しています。

プロパインの仕事は、仮想通貨を持っている人や企業が、自分たちのデジタル資産を安全に管理し、盗難や紛失から守るためのサポートをすることです。

プロパインは、カストディの専門企業として、シンガポールを拠点に活動しており、今回の買収が実現すれば、コマイヌの一部となって一緒に成長していくことが期待されています。

野村ホールディングス

日本を代表する金融グループの一つで、証券業務や投資銀行業務、資産運用などのサービスを世界中で展開しています。

1925年に設立され、日本の証券業界のリーダー的存在として長い歴史を持っています。

野村ホールディングスは、個人や企業向けに幅広い金融商品を提供しており、株式や債券の売買、資産管理、投資に関するアドバイスなどを行っています。

また、野村ホールディングスは海外にも積極的に進出しており、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどの世界各地で事業を展開しています。

近年では、伝統的な金融サービスに加えて、デジタル資産やフィンテック(金融技術)への取り組みも進めており、仮想通貨関連事業にも力を入れています。

コマイヌのようなデジタル資産カストディ企業にも出資しており、金融の未来を見据えた事業拡大を進めています。

シンガポール金融管理局(MAS)の承認が必要

今回の買収には、シンガポールの金融機関を監督するシンガポール金融管理局(MAS)の承認が必要です。

MASは、銀行や証券会社などを監督し、健全な金融システムを維持する役割を持っています。

プロパインは、このMASから発行された資本市場サービスライセンスを持っていて、このライセンスによってプロパインは主に大きな投資をする機関投資家(企業や大規模な投資家)向けに、安全に資産を保管するカストディサービス(デジタル資産を安全に守るためのサービス)を提供しています。

資本市場サービスライセンスとは、金融機関や企業が特定の金融サービスを提供するために必要な許可証のようなものです。

このライセンスを持っている企業は、投資家に対して株や債券、その他の金融商品を売買したり、アドバイスを行ったり、資産を管理したりすることができます。

特に、シンガポール金融管理局(MAS)から発行される資本市場サービスライセンスは、企業が金融取引や資産管理などのサービスを提供できるかどうかを認めるものです。

たとえば、コマイヌが買収しようとしているプロパインは、このライセンスを持っているため、大規模な投資家向けに仮想通貨やデジタル資産を安全に保管するサービスを合法的に行っています。

このライセンスを取得するためには、企業はしっかりとしたセキュリティ対策や資金管理の仕組みが整っていることを証明しなければなりません。

ライセンスがあることで、投資家はその会社を信頼してお金や資産を預けることができます。

コマイヌの重要なステップ

コマイヌの共同CEOであるポール・フロスト-スミス氏は、ブルームバーグのインタビューで、このライセンスがコマイヌの事業を成長させるためにとても大切だと話しています。

このライセンスがあることで、コマイヌはアジアでの事業をさらに拡大できる可能性が広がるからです。

また、フロスト-スミス氏は、買収が完了した後に、コマイヌも主要決済機関ライセンスを申請する予定だと述べています。

この主要決済機関ライセンスとは、仮想通貨やデジタル資産を使って、支払いを安全に処理するために必要な許可証のことです。

このライセンスを取得することで、コマイヌは単に仮想通貨を保管するだけでなく、仮想通貨を使った支払いサービスを提供できるようになります。

これは、コマイヌがさらに多くのサービスを提供できるようにするための大切な一歩です。

ブルームバーグ(Bloomberg)

世界的に有名な金融情報サービスを提供する企業で、特に金融業界で働く人々に重要な情報源となっています。

ブルームバーグは、金融ニュース、データ、分析、そして株式市場や通貨市場などの動向をリアルタイムで提供しています。

これにより、投資家や企業は最新の情報に基づいて投資やビジネスの決定を行うことができます。

アジアでの事業拡大

コマイヌは今回の買収によって、アジア地域での事業展開を強化しようとしています。

コマイヌは、仮想通貨を安全に保管するだけでなく、担保管理サービスというものも提供しています。

担保管理サービスとは、仮想通貨を持っている人が、その仮想通貨を担保にして、お金を借りたり、他の金融サービスを利用できる仕組みのことです。

たとえば、普通のお金を銀行に預けて、それを担保にお金を借りることができるのと同じように、コマイヌは仮想通貨を担保として使えるように管理しています。

コマイヌ・コネクトというサービスを通じて、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリアなど、さまざまな国の投資家にこうしたサービスを提供しています。

このようにして、コマイヌは仮想通貨を安全に守るだけでなく、それを使って多くの投資家が金融サービスを利用できるようにして、顧客の大きなニーズに応えています。

プロパインの将来

コマイヌがプロパインを買収(お金を出して買うこと)した後、プロパインは「コマイヌ」の名前を使って仕事を続けていく予定です。

つまり、これまで「プロパイン」という名前で提供していたサービスが、今後は「コマイヌ」という名前に変わるということです。

プロパインのCEOであるトゥヒナ・シン氏は、この買収によって、コマイヌとプロパインが協力して、もっと良いサービスを提供できるようになると話しています。

これは、両社の強みを活かして、今よりもさらに強力で便利なサービスを、仮想通貨を使う人たちに提供できるようになるという意味です。

つまり、今後はコマイヌとプロパインが一緒になって、仮想通貨を安全に保管するだけでなく、それを使った新しいサービスをもっと広げていくことが期待されています。

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