世界の貿易戦争(国と国が関税をかけ合って経済的に対立すること)の懸念が高まる中、「金(ゴールド)」の価格が急上昇しています。
今年に入ってから 約9.7% 値上がりし、1オンス(約31.1グラム)あたり 2880ドル(約43万8000円、1ドル=152円換算) という 史上最高値 を記録しました。
この影響で、金を裏付け(保証)とする暗号資産(仮想通貨) も価格が上昇しています。
金を裏付けた暗号資産「パックスゴールド(PAXG)」と「テザーゴールド(XAUT)」とは?
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暗号資産の世界では、「パックスゴールド(PAXG)」と「テザーゴールド(XAUT)」というトークン(デジタル資産)が金と連動して動いています。
今年に入ってから、金価格の上昇に伴い、PAXGとXAUTも約10%値上がり しています。
これは、金の価値と連動しているため、金が上がれば、これらのトークンの価値も上がる というシンプルな仕組みです。
パックスゴールド(PAXG)とは?
パックスゴールド(PAXG) は、アメリカのPaxos社 が発行する暗号資産で、1トークンごとに1トロイオンス(約31.1g)の金が裏付け(保証)されています。
この金は、ロンドンの有名な金庫(LBMA認定の保管機関)に安全に保管されています。
PAXGの特徴
✅ 金と同じ価値を持つデジタル資産(価格は金と連動)
✅ 金を購入しなくても、少額で金投資が可能(従来の金投資は現物を買う必要があった)
✅ イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で発行され、自由に取引可能
PAXGを持っていれば、実際の金を保有しているのと同じ扱いになります。
さらに、Paxos社のシステムを使えば、PAXGを実際の金(ゴールドバー)と交換することも可能です。
テザーゴールド(XAUT)とは?
テザーゴールド(XAUT) は、USDT(テザー)を発行するTether社が運営する金連動型の暗号資産 です。
PAXGと同じように、1トークンにつき1トロイオンス(約31.1g)の金が保証 されており、その金はスイスの金庫に保管されています。
XAUTの特徴
✅ 金と価格が連動し、金価格の上昇で価値も上がる
✅ ビットコインやイーサリアムと同じようにブロックチェーン上で取引できる
✅ PAXGよりもガス代(取引手数料)が安く、長期保有に向いている
XAUTの保有者は、自分の金がどこに保管されているのかを公式サイトで確認できるため、透明性が高い ことも魅力の一つです。
PAXGとXAUTの違いは?
項目 | パックスゴールド(PAXG) | テザーゴールド(XAUT) |
---|---|---|
発行会社 | Paxos社 | Tether社(USDT発行元) |
保管場所 | ロンドンのLBMA認定金庫 | スイスの金庫 |
価格変動 | 金のスポット価格と連動 | 金のスポット価格と連動 |
交換性 | 実物の金と交換可能 | 保有者が金の保管場所を確認可能 |
取引コスト | 取引手数料がやや高い | 比較的ガス代が安く長期保有向き |
現在、日本国内の暗号資産取引所では、パックスゴールド(PAXG) や テザーゴールド(XAUT) は取り扱われていません。
これらのトークンを購入するには、Binance や Bybit などの海外取引所を利用する必要があります。
一方、国内で金と連動する暗号資産としては、ジパングコイン(ZPG) があります。
ジパングコイン(ZPG)とは?日本発の金連動型ステーブルコイン
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ジパングコイン(ZPG)は、日本の大手商社 三井物産デジタルコモディティーズ株式会社 が発行する 金(ゴールド)の価格と連動する暗号資産 です。
通常の暗号資産(ビットコインやイーサリアムなど)は価格が大きく変動しますが、ZPGは金の価格に連動しており、価格が安定しやすい「ステーブルコイン」の一種です。
ZPGは、日本円ではなく金(ゴールド)を基準に価値が決まる という特徴を持ち、「金をデジタルで持てる」 という新しい形の資産として注目されています。
ジパングコイン(ZPG)の特徴
✅ 金価格に連動 → ZPGの価格は 1gの金の価格に連動 するため、金市場の価格変動と同じように動きます。
✅ 日本円でも取引可能 → 日本の取引所で円建てで購入・売却できるため、海外取引所を使う必要がありません。
✅ 三井物産が発行 → 信頼性の高い企業が発行しており、日本の法律にも準拠。
✅ 現物の金ではなくデジタルで保有 → 金の現物を保管する必要がなく、簡単に売買や送金が可能。
✅ 暗号資産でありながら比較的価格が安定 → 金価格と連動するため、ビットコインのような急激な値動きが少ない。
ジパングコイン(ZPG)はどこで買える?
ZPGは、日本の暗号資産取引所で取り扱われています。現在、以下の取引所で購入可能です。
📌 SBI VCトレード
📌 CoinTrade
📌 bitFlyer
これらの取引所では、日本円でZPGを購入できるため、海外取引所のようにUSDTやBTCを経由せずに直接取引できます。
特に、最近のように金の価格が上がる時期には、金連動型暗号資産の価値も上昇しやすいため、暗号資産を使って金に投資する新しい選択肢として注目されています。
暗号資産の世界では、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの価格が変動しやすいのに対し、PAXG、XAUTやZPGは金の価値とほぼ同じように安定している ため、投資の新しい選択肢として注目されています。
今後の金価格の動向とともに、これらのトークンの価値も変わっていくため、引き続き注目していきたいですね。
金鉱株(ゴールドマイニング株)も急上昇!
金の価格が上がると、金を掘る会社も利益を得やすくなります。
そのため、金鉱会社の株価も大きく上昇中です。
特に、金鉱株を集めたETF(上場投資信託) の一つである VanEck Gold Miners ETF(GDX) は、今年に入って約20%上昇しました。
これは、アメリカの代表的な株価指数 S&P500 の成長を上回る好成績です。
まとめ
昔から金(ゴールド)を実際に持つことで資産を守るということは行われてきました。
戦争や経済の混乱があっても、金は価値が大きく変わらず、安全な資産として扱われてきました。
しかし、金の現物を持つには、保管場所が必要だったり、売買が大変だったりするという問題もありました。
その問題も現代ではブロックチェーン技術を使い、デジタルで金の価値を持つことができる「金連動型の暗号資産(ジパングコインやPAXGなど)」が登場して解決しています。
これにより、現物の金を持たなくても、金と同じような資産をスマホやパソコンで簡単に管理・取引できるようになりました。
昔は「金の現物を持つこと」が資産を守る手段だったけれど、今では「デジタルな金を持つ」ことで、もっと手軽に金の価値を保有できる時代になっているのです。
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