ブロックチェーンの基本概念 ①ブロックチェーン入門- 基本情報をわかりやすく

近年、ブロックチェーンという言葉を耳にすることが増えました。

しかし、ブロックチェーンがどのような技術なのか、その具体的な概念や魅力を理解するのは難しいかもしれません。

今回ブロックチェーンの基本概念と魅力をわかりやすく解説し、この革新的な技術について理解を深めるお手伝いをします。

6回に分けて記事を作成しますが「①ブロックチェーン入門 – 基本情報をわかりやすく」
のみでも全体感は理解できるので興味のある方は②以降も読んでみてください。

ブロックチェーンの基本概念

①ブロックチェーン入門 – 基本情報をわかりやすく
②ブロックチェーンの仕組み – 分散型台帳のイメージをつかもう
③暗号技術とブロックチェーン – ハッシュと暗号化の役割を紹介
④コンセンサスアルゴリズム – ネットワークの合意形成を理解する
⑤ブロックチェーンの種類と特徴 – 用途に応じて選ぶ方法
⑥ブロックチェーンの活用事例 – 身近な業界での応用を見てみよう

①ブロックチェーン入門 – 基本情報をわかりやすく

目次

1.ブロックチェーンとは?
 ・分散型台帳
 ・従来の中央集権型
 ・中央集権型データベースの欠点

2.ブロックチェーンの歴史

3.ブロックチェーンの応用事例

はじめに

ブロックチェーン技術は、近年急速に注目を集めるようになり、多くの業界で革新的な変化を引き起こしています。

①ブロックチェーン入門 では、ブロックチェーンの基本情報についてわかりやすく解説します。これからブロックチェーンについて学ぶ方にとって、理解の土台となるでしょう。

ブロックチェーンとは?


ブロックチェーンは、分散型台帳技術(DLT)の一種で、インターネット上で情報を安全かつ透明にやり取りするための技術です。

データは「ブロック」と呼ばれる単位で格納され、それらが鎖状に(チェーン)連結されていることから、「ブロックチェーン」と呼ばれています。

分散型台帳

分散型台帳とは、従来の中央集権型のデータベースとは異なり、データがネットワーク上の複数のコンピュータ(PC、スマホなど)に分散して保存されるデータ管理システムのことを指します。

分散型台帳の代表的な技術がブロックチェーンです。

従来の中央集権型

従来の中央集権型でわかりやすい例えが銀行です。

銀行は、顧客の口座残高や取引履歴などの重要なデータを一元的に管理し、そのデータの整合性やセキュリティを保つ役割を担っています。

この「銀行」が、中央集権型データベースのイメージです。
すべてのデータが1つの場所(中央サーバー)に集まっており、その場所で情報の追加・編集・削除が行われます。

銀行のような機関がデータの管理者となるため、顧客はその機関に信頼を置かなければなりません。

中央集権型データベースの欠点
  • セキュリティリスク
    すべてのデータが1つの場所に集中しているため、その場所がハッキングや障害の対象となりやすく、セキュリティリスクが高まります。
  • 透明性の欠如
    データの管理者が情報の追加・編集・削除を行うため、データの透明性が低く、不正行為が起こりやすくなります。
  • 効率性の低下
    中央集権型データベースでは、データの追加・編集・削除が一元的に行われるため、処理に時間がかかり、効率性が低下することがあります。


分散型台帳技術(ブロックチェーン)は、これらの中央集権型データベースの欠点を克服するために開発されました。

複数のノードにデータが分散され、データの改ざんが困難になることで、セキュリティと透明性が向上し、効率性も高まります。

分散型台帳

分散型台帳を何かに例えると「共有の手帳」です。

手帳は、通常、個人が所有し、自分だけが情報を追加・編集・削除できるものです。
しかし、「共有の手帳」の場合、複数の人が同じ手帳を持ち、互いに情報を追加・編集・削除できるようになっています。

この「共有の手帳」が、分散型台帳のイメージです。

ネットワーク上の複数のノードが、同じデータを持ち、更新することができます。
このようなシステムにより、データの改ざんが困難になり、セキュリティが向上します。

分散型台帳の利点
  1. セキュリティ
    データが複数のノード(ネットワークに接続されたPC、スマホ、サーバーなど)に分散されているため、中央集権型のデータベースに比べてセキュリティが向上します。
  2. 透明性
    分散型台帳上のデータは、ネットワークの参加者全員が閲覧できるため、透明性が確保されます。
  3. 改ざん防止
    分散型台帳では、過去のデータを改ざんするためには、ネットワーク上の複数のノードのデータを同時に書き換える必要があるため、非常に困難です。
  4. 効率性
    分散型台帳では、データがリアルタイムに同期されるため、情報の共有や取引が迅速に行われます。

分散型台帳は、金融業界をはじめとした様々な分野で活用されており、その応用範囲は今後も広がっていくことが期待されています。

ブロックチェーンの歴史

1991年
スチュアート・ハバーとW・スコット・ストーンエッターが暗号学的にセキュア(高い安全性)なタイムスタンプ(履歴が残るシステム)を提案し、これがブロックチェーン技術の基盤となるアイデアが誕生しました。

2008年
サトシ・ナカモトが「ビットコイン: ピア・ツー・ピア電子キャッシュシステム」という論文を発表し、ブロックチェーン技術を初めて実装したビットコインが提案されました。

2009年
ビットコインのジェネシスブロック(ブロックチェーンの最初のブロック)がマイニング(ブロックチェーンの取引の検証・承認)され、最初のブロックチェーンネットワークが誕生しました。

2013年
ビタリック・ブテリンがイーサリアムを提案し、スマートコントラクト(ブロックチェーン技術を利用して自動化された契約の実行や取引処理を行うプログラム)の概念が紹介されました。

これにより、ブロックチェーン技術は単なる通貨システムから、幅広い分野への応用が可能になりました。

2015年
イーサリアムネットワークが開始され、ブロックチェーンの応用範囲が拡大しました。

イーサリアムネットワークはレゴのようなものと考えることができます。
レゴブロックを使って、さまざまな形や機能の構造物を組み立てることができるように、イーサリアムを使って、あらゆる種類の分散型アプリケーションやサービスを開発できます。

2017年
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)ブームが起こり、多くの新しいブロックチェーンプロジェクトが資金調達を行いました。

また、この年はビットコインの分裂(ハードフォーク)も起こり、ビットコインキャッシュが誕生しました。

2018年以降
ブロックチェーン技術は、金融業界をはじめとしたさまざまな分野での応用が試みられており、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などの新しいコンセプトが登場しています。


ブロックチェーンの歴史は、新しい技術の発展や応用範囲の拡大、規制の変化など、様々な要素が絡み合って展開しています。

今後も、ブロックチェーン技術はさらなる発展と普及が期待されており、多くの業界に変革をもたらす可能性があります。

ブロックチェーンの応用事例

ブロックチェーン技術は、その特徴を活かして様々な分野での応用が期待されています。
以下は、将来的な応用例です。

応用例
  • 金融サービス
    送金や決済、証券取引など、金融サービスの効率化やコスト削減が期待されます。
  • スマートコントラクト
    自動実行される契約を作成し、取引コストを削減できます。
  • サプライチェーン管理
    品質管理や在庫管理、輸送履歴の追跡など、サプライチェーンの透明性向上が期待されます。
  • 不動産
    土地登記や不動産取引をデジタル化し、効率的な管理が可能になります。
  • 投票システム
    不正や改ざんが困難な、安全で透明な電子投票システムが実現できます。
  • 身分証明・認証
    デジタルIDの発行や検証が容易になり、オンラインサービスのセキュリティが向上します。
  • 医療業界
    患者の医療記録を安全かつ効率的に管理し、医療サービスの質を向上させます。
  • エネルギー
    エネルギー取引やグリッド管理の効率化が期待され、再生可能エネルギーの普及に貢献します

これらの応用例は、ブロックチェーン技術が多様な分野で革新をもたらす可能性を示しています。技術の進歩と普及に伴い、さらに多くの応用が現れることでしょう。

まとめ

今回の記事では、ブロックチェーンの基本情報について解説しました。

ブロックチェーンは、分散型台帳技術を活用してデータの透明性、セキュリティ、信頼性を高め、多くの業界で革新的な変化を引き起こしています。

次回「②ブロックチェーンの仕組み – 分散型台帳のイメージをつかもう」では、ブロックチェーンの仕組みについて、さらに詳しく解説していきます。

ブロックチェーン技術の理解を深めるために、ぜひ続けて学んでいきましょう。

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