仮想通貨（暗号資産）は、ここ数年で多くの個人投資家にとって魅力的な投資先となっています。
国際的な証券規制機関である証券監督者国際機構（IOSCO）の発表によると、2020年以降、仮想通貨を保有する人が急増していることが明らかになりました。
仮想通貨は、デジタルな形式の資産で、インターネット上で取引や投資が行われるものです。
従来の紙幣やコインとは異なり、コンピュータの技術を使って管理されています。
IOSCOが2023年に調査した24の地域のうち、15の地域で10％以上の個人投資家が仮想通貨を持っていることが分かりました。
さらに、6つの地域では、30％以上が保有しているという結果も出ています。これは、2020年当時の推定と比較して大きな変化です。
当時は、多くの地域で1％から5％の投資家しか仮想通貨を持っていないとされていました。仮想通貨市場が急速に成長していることを反映しています。
さらに、2022年には「仮想通貨の冬」と呼ばれる大きな価格の下落がありましたが、それでも多くの人々が仮想通貨への投資を続けています。
ここで、「仮想通貨の冬」というのは、仮想通貨の価格が全体的に大きく下がった時期を指します。
それでも、先進国だけでなく、新興国でも個人投資家たちは仮想通貨を手放すことなく、未来への期待を持って投資を続けているのです。
仮想通貨が何か、そしてなぜ多くの人々が注目するのかについて、これから詳しく見ていきましょう。
証券監督者国際機構（IOSCO）
国際的な証券市場の規制を行うための組織です。
証券市場とは、株式や債券などの金融商品が売買される市場のことを指します。
IOSCOは、世界中の各国の証券規制当局が集まって協力し、金融市場の健全性や投資家の保護を目的として活動しています。
簡単に言うと、IOSCOは世界中の証券市場が安全で公平なものになるように、ルールを作ったり、そのルールを守っているかどうかを監視したりする組織です。
これにより、投資家が安心して投資できる環境を作ることを目指しています。
仮想通貨についても、投資家が安全に取引できるように、適切なルール作りや投資家の教育に力を入れています。
仮想通貨市場のリスクと課題
証券監督者国際機構（IOSCO）は、仮想通貨市場が抱えるリスクについて警告しています。
特に、仮想通貨の価格が激しく変動するボラティリティ（値動きの大きさ）、投資家が十分に理解していないこと、規制がまだ整っていない部分、そして詐欺や不正行為のリスクが大きな課題だと指摘しています。
つまり、仮想通貨は一見儲かるように見えても、その裏には多くの危険が潜んでいるということです。
仮想通貨市場のリスクの増加
IOSCOの報告書によると、2020年以降、仮想通貨市場でのリスクはますます増加しています。
特に、過去4年間では、いくつかの大規模な企業が破産し、仮想通貨市場全体が73％も下落するなど、大きな問題が発生しました。
さらに、詐欺やハッキングも頻発し、多くの投資家が損失を出しています。
ここで「弱気市場」というのは、仮想通貨の価格が長期間にわたって下がり続ける状態を指します。
規制の強化と個人投資家の関心
これらの問題にもかかわらず、仮想通貨市場における規制が少しずつ強化されてきています。
例えば、各国の政府や機関がルールを作り、投資家を保護するための取り組みが進んでいます。
それでも、多くの個人投資家は仮想通貨に興味を持ち続けています。
IOSCOは、「過去4年間、特に新しく投資を始める人たちの間で仮想通貨への関心が高まっている」と述べています。
仮想通貨を購入する人の特徴
仮想通貨を購入する個人投資家の多くは、40歳未満の男性が中心です。
たとえば、米国では35歳未満の投資家の約3人に1人が仮想通貨への投資を検討しており、すでに半数以上が実際に投資しています。
特にZ世代（18歳から25歳）の若者たちの間では、44％が仮想通貨への投資を始めていることが分かりました。
仮想通貨は、新しい世代の投資家にとって身近な選択肢となっているようです。
投資の理由
仮想通貨に投資する理由としては、主に「取り残されることへの恐れ（FOMO）」が挙げられています。
FOMOとは、他の人が成功しているのに自分だけ遅れるのではないかという不安のことです。
また、仮想通貨は少ない資金からでも始められるため、低コストでの参入が可能です。
さらに、友人やソーシャルメディアからのアドバイスや影響も、投資を決めるきっかけとなっています。これらの理由から、多くの若者が仮想通貨に注目しているのです。
仮想通貨市場はリスクがある一方で、多くの人々にとっては新しいチャンスとしても映っています。
投資をする際には、しっかりとした知識を身につけることが大切です。
仮想通貨市場の急成長
2020年から2023年にかけて、仮想通貨市場は驚くべきスピードで拡大しました。
2020年時点では、仮想通貨を保有する個人投資家は多くの地域で全体のわずか1〜5％程度に過ぎませんでした。
しかし、2023年には一部の地域で30％以上の個人投資家が仮想通貨を保有していることが報告されています。
これは、たった3年で市場が大きく成長し、仮想通貨がより広く普及していることを示しています。
具体的な数字で見ると、2020年には仮想通貨市場全体の時価総額は約3000億ドル程度でしたが、2023年には1兆ドルを超える規模に成長しています。
このように、仮想通貨はより多くの投資家に支持され、資産クラスとしての地位を確立しつつあります。
仮想通貨市場が急成長している背景には、テクノロジーの進化や新たな金融商品の登場、そして低コストで始められることが挙げられます。
投資家が増加している国々
仮想通貨への関心が急速に高まっている国々として、特に米国や韓国、ブラジル、インドが注目されています。
これらの国では、仮想通貨の普及が進み、個人投資家の数が著しく増加しています。
韓国は仮想通貨の人気は高く、特に技術に敏感な若年層やテクノロジー産業で働く人々の間で、仮想通貨が新しい投資手段として広がっています。
ブラジルやインドのような新興市場でも、仮想通貨への関心が急増しています。
これらの国では、伝統的な金融サービスが十分に普及していない地域があるため、仮想通貨が代替手段として広がりを見せているのです。
特にブラジルでは、経済の不安定さやインフレ対策の一環として仮想通貨が注目されており、インドでは技術に強い若年層の投資家が市場を牽引しています。
こうした国々での投資家の増加は、仮想通貨がグローバルに拡大し、幅広い層に受け入れられていることを示しています。
今後の仮想通貨市場の広がりについて
仮想通貨の市場は、これからもっと大きくなると予想されています。現在（2023年）の仮想通貨の市場規模は約1兆ドルですが、2027年にはこの数字が3兆ドルを超えるかもしれないと言われています。
これは、仮想通貨がもっと多くの人に使われ、株や債券と同じくらい大事な資産になる可能性があるということです。
また、2023年には仮想通貨を持っている人が多くの国で10％以上いる状況ですが、2030年までには、世界の20％以上の人々が何らかの形で仮想通貨に投資するだろうと予測されています。
これは、仮想通貨に関するルールが整ってきたり、技術が進んで使いやすくなったり、世界中のお金の仕組みがデジタル化していくことが理由です。
さらに、分散型金融（DeFi）という新しいお金の仕組みが広がってきていることも、市場の拡大に貢献しています。
DeFi（ディーファイ）とは、「Decentralized Finance」の略で、銀行のような中央の機関を通さず、インターネット上で直接お金の貸し借りや送金をできる仕組みです。
つまり、銀行を使わずに、世界中の人々が自由に取引できる新しい金融システムです。
このDeFiを使ったサービスが増えることで、もっとたくさんの人が仮想通貨を利用しやすくなり、これからも市場は大きく成長すると期待されています。
GMOインターネットグループ（東証一部上場）の【GMOコイン】
コメントを残す